料理長のノイさんは日本を２度訪れている。１度目はタイ国民からの圧倒的な人気を誇るプラテープ妃（シリントン王女）訪日時の同行料理人として、２度目は日泰修好120周年を記念して日本で行われたカービング大会の師範として。そんな超一流の料理人であるノイさんは、客層が外国人中心である当店でも特別なアレンジを行うことなく、王室伝統の味をそのまま供している。王宮料理はどの国の料理であっても薄味で上品すぎると考えがちだが、当店の皿はどれも感動的なおいしさ。見た目の美しさも宮廷料理の要件だが、野菜には美しいカービングが施され、器は店名にもなっている色鮮やかなベンジャロン焼。店内は優雅な雰囲気でサービスもきめ細やか。それでいてプライスが他の有名店と同程度なのがうれしい。この店を知らずしてタイ宮廷料理を語るなかれ。