ルイさん、なんでタイ料理が好きなんですか?
日本で唯一のタイ料理ライターとして活動し、バンコクでもその名を知られる白石路以さん。18歳の時にバンコクに旅行をしたのがきっかけでタイ料理に目覚めたそうですが、ルイさんの活動源である「タイ料理を好きな理由」を知らずして、今回の特集は始まりません。その理由を、率直に尋ねてきました。
白石 路以(しらいし・るい)
日本で唯一のタイ料理専門ライター。日本でライターとして活動後、バンコクに3年在住。現地でタイ各地の料理を学ぶ。現在は1年の半分をバンコクで過ごしながら日本で活動中。『10分で本格タイごはん』『キレイを叶える週末バンコク♡』などタイ関連の書籍等を手がける。
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「タイ料理は、味も香りも色合いも鮮やかで勢いがあって、タイの国そのものだなと思います」
タイ料理の1番好きなところは、テーブルに運ばれて来た瞬間にいろんな香りや色がバーっと広がって、「わーーー!」と声が出ちゃうくらいテンションが上がるところ。テーブルに並んだだけでこんなにテンションを上げてくれる料理は、ほかにはないような気がしています。
あとはよく言われていることですが、辛さだけじゃなく、甘さ、酸味、塩気のバランス、香りのバランスを重要視していて、実はすごく繊細なところも好きです。濃いだけ、辛いだけのイメージが強いかもしれないですが、例えば辛さと酸味が際立つタレをコームーヤーン(豚ののど肉を焼いたもの)に付けて食べることで、豚の脂の甘味がさらに引き立って、口の中で料理としてのバランスが完成したり。タイ料理を知れば知るほど感じるのが、意外と食べる側の舌の敏感さや繊細さ、味わうための知識や技術のようなものも試される料理だな、という点。
基本的に、人の味覚は砂糖や油分を多用したものを瞬時に「おいしい」と感じる傾向があると思うのですが、その部分だけで感じるとタイ料理は「辛くて臭い」で終わってしまうかもしれません。けれど、そこからさらに一歩踏み込んで「この辛さが意味するところは何だろう」「この香りが引き出すものって?」など、そういうことを考えながら食べるとますます面白くなると思います。
また、昔ながらのタイ料理には発酵食品や野菜、ハーブを多用したヘルシーな料理が多いところも魅力です。米食で発酵食品が多く、海に囲まれているので魚を多く食べるなど、実はタイ料理と日本料理には共通点もたくさんあると常々思っているので、そういうこともタイに住んでいる人には知ってもらえたらうれしいです。
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(取材・文:山形美郷)