映画雑誌・編集者に聞く!
タイ映画のこと、ほんの少し
ティダー・パリットポンカンピム
映画雑誌『Bioscope』の発行人であり、編集者。映画関連の執筆や編集・翻訳・ドキュメンタリー映画の輸入など多岐に渡って活動中。Facebookで多くのファンを持つ。
www.facebook.com/thida.plitpholkarnpim
——— タイ映画の魅力は?
観ている人が理解しやすいことです。キャラクターが分かりやすく、タイの人なら誰が観ても分かる(共感できる)ようなストーリーが多いと思います。
——— タイ映画の変化について
一番ハッキリしているのは、タイ映画の多様性がどんどん無くなっていること。昔は家族向け、子ども向け、ホラー、個性派キャラクターものなど幅広かったけれど、今はラブストーリーかコメディ、ホラーがほとんど。その原因の一つにあるのが、タイ映画業界全体の自由度の低下です。ターゲットは10代の若者に限定。強烈なインパクトや作品自体の個性・チャレンジが減っていると感じます。
——— おすすめのタイ映画は?
映画ではないのですが、大好きな3人の監督を紹介させてください。アピチャッポン・ウィーラセタクン、チャート・ソンシ―、バンディット・リッタコン※(敬称略)です。彼らはに独特の視点があり、特に繊細な人の気持ちを表現するのがとてもうまい。タイ社会の流れをいち早く感じ取り、作品にできる人たちです。
※代表作は、それぞれ以下。
『ブンミおじさんの森(2010)』/『プレー・カオ(1977)』/『恋する年頃(1992)』
——— 最後に、日本映画の好きなところは?
幅広いジャンルの作品があるところ。シンプルで温かいものがあると思えば、暴力的でエロチシズムでハチャメチャなものもいっぱいある。この相反する二面性、多様性がとても面白く、強く惹かれてしまいますね。
——— そう言ってもらえるとうれしいです。また次回、ぜひゆっくりお話を聞かせてください。ご協力ありがとうございました!
(取材・文:山形美郷)