若さと健康の秘訣は“フリークライミング”にあり!
協力/『Kenji’s Lab』オーナー・中山ご夫妻
岩壁を手足だけを使って登るフリークライミングは、主に腕の力を使うと思われがちですが、ポイントとなるのは脚、そして体幹。そう、実は全身運動なんです。その人口が急増するずっと前から、クライミングを楽しんできた生粋のクライマーふたりに、その魅力を教えてもらいました。
(プロフィール)
中山 健次・久子(けんじ・ひさこ/以下、K・H)
根っからの山好き。健次さんはクライミング歴30年以上、久子さんは 20年以上。和風ビストロバー「Kenji’s Lab ケンジ’s ラボ」で日々お店に立つ傍ら、時間を見つけて週2回はクライミングジムへ通い、世界各地の岩場にもクライミングに出かけるパワフル夫婦。
——— クライミングを始めたきっかけはなんですか?
K:中学卒業と同時に入会した社会人山岳会で岩登りの手ほどきを受けて以来、世界各地でクライミングを楽しんできました。当時、周りはみんな社会人だし、自分よりも年上。けれど、「山が好き」という気持ちは共通しているので気後れすることもなく、仲間として一緒に楽しむことができました。
H:大学時代に所属したワンダーフォーゲル部で山登りを始めました。でもワンダーフォーゲル部では山歩きがメインで、雪山登山やクライミングは禁止。それでもどうにかしてクライミングをやってみたくて、各大学山学部の主将たちが集う日本山岳会学生部に出向き、教えてほしいとお願いして、関東近郊の岩場に連れていってもらったのがきっかけでした。ケンジと初めて会ったのもこの頃でした。
「長く続けているうちに、指も腕もたくましくなった」と笑いながら話すおふたり
——— クライミングをずっと続けている理由、その魅力を教えてください。
K:うーん、もう30年以上やっていますからね。もう生活の一部、ライフワークみたいなものですよね。自分の身ひとつで登るので、体の調子が悪い時はそれが大きく影響してくる。だからこそ、体調にも敏感になりました。思うように登れなかった時は「疲労か、寝不足か、体重増加か」など、自分の生活習慣を振り返るきかっけにもなります。脂物は避けたり、野菜やタンパク質を多く摂るなど、バランスを意識した食生活が染み付いているのも、クライミングのおかげ。健康のバロメーターですね。
H:私も体調管理には気をつけています。昼間は病院での勤務、夜は店の手伝いと、ふたつの仕事があるハードな毎日だからこそ、質の高い睡眠をとるために「体をあたためる、寝る前は携帯をいじらない、お酒を飲むことがあれば飲みすぎない」といったことを意識しています。
K:あと、そうだね。日常生活では経験できない、心も体も自分の限界に挑めること。だからこそリスクもあるんですが、それも含めてクライミングの魅力だと思うんです。サッカーやバスケといった、人に観せるスポーツと違い、あくまで自分自身が観戦者であり、自分のクライミングに満足するかどうか、の一点につきる。
H:もちろん登り切った時の達成感はあります。特に何度トライしてもできなかったルートが登れた時のうれしさはひとしお。自分の限界を超えた力を出し切れた!と。それに、自然の岩場から見える景色も最高!クライミングをしている時は、次の一歩、次の一手に全神経が集中しています。そうすると、いつのまにか身も心も真っ白になるような、すべてがサーッと流れていくような、無の境地になれる時があるんです。頭の中を占めていた雑念が消えていくような……。
K:そうそう、あとジムでも自然の岩場でも、クライミングを通じて出会った人たちとはすぐに声をかけあうことができます。年齢、性別、職業、国籍を問わず、いろいろな人々とすぐに打ち解けられるきっかけになりますね。。チェンマイやラオスなど、旅先でのクライマーとの出会いも楽しみのひとつになっています。
——— 健次さんと久子さんにとって、クライミングはどんな存在ですか?
クライミングは一期一会
K:バンコクに暮らす現在はジムに行くことが多いですが、自然の岩場のルートはそれぞれが個性豊かで岩質や傾斜、スケールなど様々です。岩場を求めて旅をし、自然と触れ合い、クライマーと出会って、現地の美味しいものを食べる!これも大きな醍醐味ですね。
自分に向き合う大切な時間
H:心身ともに集中してルートを登り切った瞬間も好きだけれど、私は自分の中で設定した目標に向かって、努力を積み上げていくことも好きです。それは自分に向き合うことにも繋がります。。仕事やお店のことで頭の中がいっぱいな時も、クライミングに集中していると身も心も真っ白になります。。こうしてリフレッシュできるからこそ、何事にもぶれない自分でいられる気がします。
———なるほど。体を使うことばかり考えていましたが、内面的な効果も大きいんですね。私もチャレンジしてみたくなりました!
実際におふたりのトレーニングに同行させてもらいました!
その様子はこちら
おまけ
お店の2階から1階へ降りる時、正面の壁に見えるゴツゴツとしたディスプレイを知っていますか?
実はこれ、トレーニング用のフィンガーボード!
指の力を鍛えるためのトレーニングアイテムであり、クライミング仲間がお店に来たらこれにぶら下がることもあるのだとか。言われるまで気がつきませんでしたが、人がぶらさがってもびくともしない頑丈さでした。
おふたりにもっと話が聞きたい方は、ぜひお店へ。
絶品 創作和食の数々がお待ちしていますよ。
■Kenji’s Lab ケンジ’s ラボ
Thonglor 18/1 (Thonglor Soi Thararom2)
02-381-0024/080-449-3883
火~土 18:00〜1:00(L.O. 0:30、日・月は定休)
www.facebook.com/KenjisLab/
(取材・文:山形美郷)