切手は、手紙を相手に届けるために欠かせないアイテム。そんな手紙をつなぐ役割を果たす切手が小さいころから大好きなのが、ヘアサロンRikyu・スクンビット24店のスタイリストとして毎日お店に立っているトゥクさんです。
父親が日本で働いていたので、両親が手紙のやりとりをするのが日常だった彼女の家。いつしか国によって異なる切手の絵柄、デザイン、形に魅了され、10歳のころから切手集めがスタートし、気づいたときには切手専用のファイル3冊分にも。小さいながらも、タイ国内・国外・届いた日に分けてきっちり並べ、新しい切手が仲間入りした時はワクワクした気持ちでアルバムへ。そうして眺めては切手を愛でていたのだそうです。
けれども彼女は、コレクションのために切手を買ったことはないというのだから不思議です。
「当時の家の近所では『切手好きのトゥクちゃん』が浸透していたので、周りのみんなが自分の封筒をわざわざ私に届けてくれていました。私の手元にある切手はすべて、きれいな新品ではなく、そのときの日付・発送場所のスタンプが押されて封筒に貼られていたもの。だから切手を見ると、一緒に付いていた封筒・手紙の内容も一緒に思い出します」
彼女にとって、切手は買うものじゃなく、手紙と一緒に届くもの。切手と手紙はふたつでひとつの関係なのです。
「お気に入りは、ラマ1世から9世がそろった記念切手です」
そんなトゥクさんに手紙の思い出について聞くと、赤と水色それぞれの封筒に入った、2枚のメッセージカードが出て来ました。「バースデーカード」と「クリスマスカード」。律儀に封筒にそう書かれたこのふたつは、学生時代の友人が10年前に日本から送って来てくれたものなのだそう。
「こんなに丁寧にふたつに分けられたかわいい手紙をもらったのは初めてで、とても感動したのを覚えています。実は今回のインタビューを受けることが決まって、この手紙の送り主に連絡をとったんですよ。この手紙のことを話すと、まだ手元にあったことに驚いていましたね」
そう言い終えて無邪気に笑う姿は、やっぱり“トゥクちゃん”で、表情がコロコロ変わる彼女の話に私は引き込まれっぱなしでした。
思い出の手紙。中には「TUKKY」「ZEKKY」と当時のあだ名が
バースデーカードとクリスマスカード、ふたつが同時に届いたと言い、喜びもひとしお
(profile)
トゥク・アンチャリ—(トゥク)
2005年 Rikyuバンコク店の立ち上げ当時からのメンバー。スタイリストとしてタイ人・日本人問わず多くの顧客を持つ(日本語可)。スクンビット24店担当。10歳から切手を集めている。
(info.)
Rikyu by boy Tokyo
Sukhumvit 24
www.facebook.com/boyrikyu
(取材・文:山形美郷)
