フュージョンが難しい和食を見事にアレンジ!

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添乗員としてあちこち行く中では、「その土地のお料理を伝統的なスタイルで頂く」というのがツアーに含まれている食事でした。

なので奇を衒ったものもなく、「何が素材でどういう味か」というのはメニューに書いてある物そのままだったり(例-ボローニャ風スパゲティー—豚挽肉のトマトソース煮をかけたスパゲティー)と、添乗員としても正体不明なものよりぐっと安心して案内できたものです。

タイに来てからは「タイと○○のフュージョン」というお料理がとても多いな、ということを思いました。

よく見かけるのが「タイ料理をスパゲティーにしました」とか「何とかのソテー、ナムプリックをアレンジしたソースをかけて」というものでしょうか。

しかしフュージョンの定義とは?と実は常々思っていました。どこからどこまでがフュージョンなの?和食でもたまに「創作刺身」というメニューがあるけど、刺身って創作できる料理?など疑問が一杯。

ある日、「バンコクでのフュージョン和食第一人者」というシェフの方とお話しする機会があり、いろいろ聞いてみました。

シェフ フュージョンというのは「元が何料理か」というのがわからないと単なるごちゃまぜ料理になってしまいます。
和食の場合、「素材の持ち味を生かす」という使命と、「ああ、これ、日本食だよね!」とみんながわかる料理で表現することが必要です。
みんなが知ってる和食、というとどうしても寿司、刺身、天ぷらです。これをどうフュージョン、ほかの国のお料理と融合させるか、が課題です。
そうなると創作する部分としては刺身ならお醤油とわさびではなく地場で食べられているソースを使ったり、天ぷらなら天つゆや素材に一工夫するわけです。

 

簡単ですが、こんなことをおっしゃっておられました。なるほど。出身がはっきりしているからこそ、身の回りのオプションで見た目や味を変える、ということですね。

アジアティークにはそのフュージョンの定義を踏襲した、素敵なレストランがありました!

こちらがまず「フュージョン刺身の4種盛り合わせ」。お刺身でありながら、タイ風ピリ辛ソースに刻んだガーリックなどと和えた一皿。内容はサーモン、マグロ、エビ、タコと充実。下にあるしゃきしゃきの玉ねぎと一緒にいただくとこれまたおいしい!純和食ではこれが大根のカツラ剥きだったりしますが、たくさん歩いて疲れたわね、という時のスタミナ回復にもぴったりです。

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こちらはタラの塩釜焼きを基に「塩釜部分を塩気の強いメレンゲにしてソテーした」という一品。お魚も適度な塩気を含んでおいしかったですし、何と言っても塩釜と違い、メレンゲ部分もおつまみとしてちょこちょこ食べちゃえるのがいいですね!長居するときに最適のメニューですよ~。

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こちらは和食ではなくダックコンフィ。鴨のもも肉を低温の油でじっくり揚げ煮したフランス料理です。このお料理は皮をパリッとサクっと仕上げるのが大事なのですが、この点もクリアー。かなり腕のいいシェフが働いてるな、という印象を受けました。

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店内はトロピカルムードを出しながらもニューヨークのソーホーにあるカジュアルレストランを意識したような内装。そんなところまでフュージョンです。

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レストラン部分とは別に、バーのコーナーもあります。このスタイルはタイ人が好む、「まるで家にいるようにまったり飲める」というものですね。チャンスがあれば寝っころがりたい、と思ってるかも。

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Bangkok madam(バンコクマダム)