My Life - Managing Director 鈴木幸代さん -


日本のお酒・文化をタイに伝えたい「ここ数年の間に、急速に浸透してきていますよ」

日本のお酒の勢いが止まらない。

日本産のお酒をタイへ展開する卸売・酒店「SCS Trading Co., Ltd. (以下、SCS)」を鈴木幸代さんが立ち上げたのは、1993年に駐在員としてタイに来てから10年後のことでした。「バンコクに10年暮らし、もっと日本を身近に感じられるような仕事を通じて、タイへ恩返しがしたかったんです。その橋渡し役として、自分の好きなお酒を選びました。まぁ、個人的に自分で飲みたいお酒が当時のバンコクにはなかったというのも大きかったんですが(笑)」

SCS Trading Co., Ltd. 鈴木幸代さん元気の源は飼っている11匹の猫たち。今日は代表して“橙”くんとパシャリ

2003年8月の設立当時を振り返ると、スタッフは大学を卒業したての新人女性と幸代さん二人だけ。飛び込み営業や配達などすべてこなしたという。「けれど、苦労したとか辛かった記憶はなくて、すごい楽しかったんですよね。自分で歩き回ったおかげで、バンコクのほとんどのお店と顔見知りになりましたよ」

もともとは焼酎の卸売から始まったSCS が、日本酒の取り扱いを始めたのは2008年。今では20ヶ所の蔵元からお酒を仕入れています。「お付き合いをさせていただいている蔵元さんは、すべて私が現地へ足を運んでお願いしてきたところなんです。やっぱり、自分でその土地を訪れて、蔵元の方の思いを直接お伺いすることは疎かにできないですから。それに、その場所で生まれたお酒と郷土料理の相性を知れるのも、現地の特権ですね」

不思議なことに、幸代さんはタイに卸したいと思うお酒を見つけると「欲しい欲しい」と念じている間に、気づくとそのお酒とご縁が生まれていると言います。それは決して偶然ではなく、幸代さん自身が紡いできた人とのつながりの証でしょう。

醸される背景を知れば、日本酒がもっと楽しくなる

SCS Trading Co., Ltd. 鈴木幸代さん10周年記念に行われたイベントで(左から2番目が幸代さん)

昨年10周年を迎えたSCSは、新たな取り組みを始めています。それは、海外の人たちに「日本酒を知ってもらう」こと。“SAKE”としての認知度は高まっているものの、その裏にある現地の風土や特性、醸造工程などはまだまだ知られていません。幸代さんは、台湾で行われている蔵元さん直々にお話をする日本酒セミナー「乾杯SAKE学苑」に生徒として昨年の7月から毎月1回参加しています。そこで得た知識をタイへ還元し、お酒への、日本への興味の芽を育てるために。

「昨年7月のビザ緩和により、タイから日本へ行く旅行客が急増しました。実際に日本の文化に触れ、お酒と料理を味わうことでさらに日本を知ってもらいたいです。そんなタイ人が増えれば、お酒のタイ市場も、もっともっと盛り上がっていくでしょうね」幸代さんは日本のお酒を通して、タイと日本の垣根をなくそうとしているのだ。さらに8月からはBTSチットロム駅にある「セントラルエンバシー」内で、日本酒についてのレッスンクラスも開催予定です。

SCS Trading Co., Ltd. 鈴木幸代さん台湾の日本酒セミナー参加メンバーと

その一方、6年前から続けているのが、国際的な社会奉仕連合団体である「バンコク・スリウォンロータリークラブ」への参加。使えるのに使われていない放置自転車をタイ国内にある小学校へ贈呈したり、雨水をそのままタンクに溜めているような学校に大きな浄水器を設置したりといった支援も行っています。

「お酒は私にとってなくてはならない存在ですね。それにコミュニケーションの潤滑油として心強い存在でもありますよ」そう話す幸代さんにお酒の楽しみ方を聞いてみると、「その日に飲みたいお酒に合わせて料理を選ぶか、食べたい料理に合わせてお酒を選ぶか。その日の気分で選ぶことですね」

なるほど、シンプルに楽しむのが一番です。

※2014年7月時点。サッポロビールを含む。

SCS Trading Co., Ltd.
55/6 Lardprao Soi 88, Lardprao Rd. Plappla, Wangthonglang
02-530-2648
infoscsbkk@gmail.com
www.facebook.com/scstrading
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